TimeTracker NXのWeb版とデスクトップ版を連携して運用している環境において、Web版に接続したときに以下のような画面が表示されて接続できなくなる事象が発生することを確認しています。
本ページではWeb版に接続できない事象が発生した際、速やかに解決するため、サポートチームへご連絡いただく前に確認していただきたい内容と、サポートチームの調査にて必要となる情報をご案内します。
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本事象が発生した場合、以下の手順で確認してください。
1. 発生条件を確認する
本ページでご案内する手順の実施に際し、以下の条件に当てはまるかを確認してください。
・TimeTracker NXのWeb版とデスクトップ版を連携した環境である
・Web版のみ接続できず、デスクトップ版は接続できる
2. Redisの状態を確認する
TimeTracker NXは、Redisというメモリ上に格納するデータベースアプリケーションを利用しています。今回の現象は、このRedisがTimeTracker NX以外の影響を受けたことで正常に利用できていない可能性があります。
以下の手順でRedisの設定を変更して、Web版が利用できないか確認してください。なお、本手順は確認のための手順となりますので、そのままTimeTracker NX Web版を利用しないようお願いいたします。そのまま利用すると、設定を変更する前に使用していたRedis内の情報が欠落し、データの整合性が取れなくなる可能性があります。
■確認手順
1.IISを停止する。
2.メモ帳を管理者権限で起動し、TimeTracker NX Web版のインストールフォルダ内にある「web.config」を開く。
※(TimeTracker NXのインストールフォルダ)は、初期設定では以下のフォルダになります。
C:\Program Files\DENSO CREATE\TimeTracker NX
3.キーが「RedisDbNumber」の項目にある「value」を既存の数値から1つ加算した数値に変更する。
【注意点】
・他のシステムでもRedisを利用している場合は、「value」の値が重複しないよう変更します。
・Redisの「value」の値は規定では7までになりますので、1つ加算した値が8になる場合は、0に戻します。
※初期値からの変更イメージ
■変更前
<add key="RedisDbNumber" value="0" />
■変更後
<add key="RedisDbNumber" value="1" />
4.IISを開始する。
5.TimeTracker NXにログインする。
※ログイン可否の確認のみとし、ログインできた場合も工数の編集等はしないでください。確認後は、3で変更した値を元に戻してください。
3. Redis内のデータ量を確認する
調査にあたり、Redis内のデータの確認が必要です。Redis内データの取得する際に、サーバーに影響を与えずに取得できるかを確認するため、事前にデータ量を確認します。
■確認手順
Redisアプリケーションが用意しているクライアントツールにて、以下のコマンドを実行した際に表示される値を確認してください。
・起動するRedisのクライアントツールの場所
C:\Program Files\Redis\redis-cli.exe
・実行するコマンド
dbsize
■確認方法
上記手順で表示された値が3000以下であれば、手順4を実施してください。
3000を超える値の場合は、表示された値とともに本ページに沿って確認した旨をサポートチームへ連絡してください。サポートチームにて値を確認し、その後の手順をご案内します。
4. Redis内のデータを取得する
Redis内のデータを確認するため、Redisのクライアントアプリケーションを動かす以下のコマンドを実行して、データを取得してください。
なお、本作業はサーバーに負荷をかける可能性があるため、実施前にタスクマネージャー等でサーバーのパフォーマンスを確認し、負荷が低い状態で実行してください。
■情報の取得方法
1. コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行します。
cd "c:\Program Files\Redis"
redis-cli --csv keys * > keys.csv
2. 1で出力したkeys.csvを、本ページに沿って確認した旨を添えて、サポートチームへ送付してください。
※keys.csvはC:\Program Files\Redis 直下に出力されます。
※お送りいただくファイルに含まれるのはRedis内の情報であり、TimeTracker NXのプロジェクトデータなどは含まれません。
データをお送りいただきましたら、サポートチームにて内容を確認し、再開に向けての確認事項や復旧手順をご案内します。
本事象の発生確率低減処置について
本事象について、IISの設定を変更することで再発の確率が低下することを確認しております。本事象が発生した環境におきましては、以下のとおりIISの設定変更を行うことをお勧めしております。
□IIS設定変更内容
アプリケーションプールの「アイドル状態のタイムアウト」の値を、既定値の20分から「0」(タイムアウトなし)に変更
※本設定変更により他の新たなトラブルが発生したとの報告はありません。